トゥインフィニティ、アンビヨーン

もっと日記の頻度を上げてやろうと思えばできなくはないのだが、あるゲームが楽しすぎてそちらに時間を吸われている。せっかくなので今回はそのゲームについて紹介する。

store.steampowered.com

Space Engineersは、マインクラフトに代表されるサンドボックス型の一人称視点ゲームだ。宇宙開発をテーマに様々な宇宙船、飛行船、車両、ステーションを建造することができる。発表時期がマインクラフトのリリースと近かったため、当時は宇宙版マイクラとか呼ばれてたらしい。エンドラのような、エンドロールに向かう一定の指標のようなものは(デフォルトでは)存在せず、ただひたすら宇宙を開拓し、作る。そんなゲームである。

宇宙開発の流れはこうだ。宇宙に広がる惑星や衛星、小惑星から鉱石等を採取、それを精錬、出来上がった資源を素材に部品を製造、それを使ってブロックを設置・溶接(ブロックは設置しただけでは仮置き状態で、そこから専用のツールで部品を消費し溶接することでブロックが完成する)、これを繰り返して様々な乗り物、建造物(ゲーム内では独立したブロックの纏まりは「グリッド」という単位で認識されるので、本記事でも以下よりそう呼称する)をクラフトしていく。マイクラとは違って、ちょっとした望みの物を作るのにもえらく時間がかかるわけだが、そこが醍醐味───言い換えればロマンだ。溶接というプロセスは、単なるクラフトゲーとしてみれば煩わしいだけかもしれないが、骨組みブロックだらけのスカスカな模型のようなものを、そこから想像される巨大な宇宙船や設備・ギミック満載の秘密基地へ、限られた資源から自分の手で時間をかけて少しずつ出来上がっていく様は、モノづくりの楽しさの根底に繋がっているように思う。君は建設途中のビルや自動車の製造工場、建造中の大型船舶を見て興奮しないか?しない?そうか・・・だが私はする。なんなら仮置きだけの巨大なオブジェクトでもイけるぞ。

奥の建物は建造中だが、これでも十分景観としては機能するのだ

このゲームでは特定のブロックを用いてプログラミングも可能だ。なんとC#ソースコードを専用のブロックに直接ぶち込んでコンパイルする。これによって出来ることの幅がハチャメチャに広がってしまう魔法のアイテムだが、当然すべてのプレイヤーがプログラマーなわけではない。かくいう私も基本的なプログラミングの知識こそ持ち合わせているもののコーディング力(ぢから)は極めて貧弱である。そんなときは、Steamコミュニティのワークショップに公開されているソースコードをゲーム内で直接取り込んでコンパイルできるので、私もそれを使っている。

これはテキストや模様を表示できるパネルに、グリッドの様々な情報をリアルタイム表示できるコードを使用した例。左はグリッド内のギミック持ちブロックが受けたダメージ状況、中央はグリッドのイベントリ使用率と保有する鉱石の状況、右はグリッド動力の貯蔵・入出力状況をそれぞれ表示している。普通にプレイしているだけでも、これらが非常に便利であると感じるようなゲームであることは伝えておきたい。

このゲームは一昨年ごろから狂ったように友人たちと遊んでいて、去年あたりからはしばらく触っていなかったのだが、最近友人の一人がソロで再びプレイし始め、それに触発されて私も再開した次第だ。ここ最近どんなものを作っていたかを紹介する。まずはその前提(?)から。

これは友人たちとサバイバルワールドでプレイしていて、NPCの船を奪取し月面に不時着した直後の状態。

 

これを改造し・・・

 

弄くって・・・

 

こうなった。どう見ても色がペガサス級ですありがとうございました
男のロマンである小型船射出用カタパルトや、敵を自動追尾・攻撃してくれるタレットを載せられるだけ載せた魔改造船。細かい改造を継続して繰り返し、原形が無くなったとしてもそれ一個体であることには変わらない思いを込めてTHESEUS(テセウス)と命名した。
ここまではオンラインサーバーのサバイバルワールドでプレイしていて、最近はローカルのクリエイティブワールドでこの船のブループリント(グリッドを丸ごとブループリントとして保存し、設計図として投影したりクリエイティブではそのままポンと出力できる)から出力し更なる改造を繰り返した。それがこれ。

ちょっと見た目が変わったね。大きな変更点としては、船首側の変な塊2個とカタパルトの仕様。

塊は某Yutuberがこのゲームで作った、「高威力の爆弾を弾頭とした塊を無理やり射出してぶつける」船の機構を丸パクリしたもの。当たると気持ちがいいがあくまでロマン。

カタパルトについて。THESEUS内部にはこんな感じの射出機が収まっていて、これのてっぺんに射出する船を固定し、THESEUSに設置した重力発生装置で射出機を前方へ「落下」させることで初速を得る仕組み。以前は射出に必要な操作を逐一手動でやらなければならなかったが、今回そのほぼ自動化を行った。ブロック言語によるプログラミングのような感覚で挙動を構成できるブロックがあるため、これを複数使うことで自動化に成功。射出する船さえ固定されていれば、ボタン一つで射出され、射出機も元の位置に戻って来る。そしてもうひとつ。

これが

こう

この射出機を取り出せるギミックも追加した。以前は何度か射出機の操作をミスってカタパルト先端に追突し派手にぶっ壊れ、その度あのクソ狭い空間で四苦八苦しながら射出機を修繕していたが、このギミックで射出機のメンテナンスをより行いやすくした。改造や、大破した際の交換にも役立つ。・・・という建前が半分。残り半分はロマンだ!!!大型機構のメンテナンスモードなんてロマンでしかないだろうがよ!!!!!

 

などと長々と書いてしまったが、Space Engineersはこういう遊びもできるゲームだという事は伝わっただろうか。他にも敵性NPCとの戦闘や惑星探索、中立NPCからの依頼達成など、デフォルトでも様々な事ができるし、更に勇志の開発したmodを導入すれば幅は無限大だ。ただしこのゲーム、一応公式で日本語にも対応しているものの特殊な手段を踏まないといけなかったり、日本人プレイヤーの人口があまりにも少なくてWiki以外の日本語情報が枯渇している問題がある。基本的なところは日本語Wikiで補完できるが、最新情報となると更新が無かったりするし、応用テクニックなどは特に英語のテキストを翻訳したりしなかったりして読む羽目になる。それらを苦痛と感じなければ、理想の宇宙船や秘密基地を作ってみたいという、男児心のまだ残っているそこのアナタにはぜひプレイしていただきたい。今ならSteamで半額!

ちなみにこのゲームに時間が吸われていると最初に言ったが、大半は自分が作ったものを眺めている時間である。でも楽しいんだこれ。